ずっと、ずっと．．．〜番外編〜　　　　　　　＜和兄と彼女２＞

愛にはまだ遠い．．．

〜和せんせの想い〜
２

緊張してるよな？
部屋に入って抱きかかえたままでベッドに座ると恥ずかしそうに下をむいたまんまきゅっと俺の首にしがみ付いている。
経験者の俺でも緊張してるんだから、真名海の緊張は俺以上だろうなぁ．．．
けど俺だって初めてなんだよ、バージンっていうのは。

大学に入ってしばらくして付き合いはじめた前の彼女が俺の初めての相手だった。あいつは経験者で、初めての俺はしっかりリードされてしまった。いつもどっちかっていうとあいつのほうから誘ってきてた気がする。俺ってそんなに淡白だったんだろうか？
まあ練習がきつかったりすると逢う気もしなかったもんな。なんか疲れてさ．．．
あいつは男はこうあるべきだといった理想が高くって、俺の外見は理想近かったらしい。けれども中身では散々文句いわれてた気がする．．．それでもまあ、初めての相手だったし、いい女だったから１年は続いたんだろうな。
けど、その後半はあいつのアパートに行ってセックスするだけだった気がする。俺の練習が忙しかったこともあったし、真名海の家庭教師に異常に時間割いてたからなぁ．．．ほっとけなかったからなんだけど、その分彼女の方をほったらかしてしまった。だからといっても、彼女の部屋に行っても、他にすることも話することもなくって、逢えなかった時間と心の隙間を埋めるように抱き合ってた。身体は十分すぎるほど馴染んでたから、彼女も好きなように振舞ってたしな．．．
　いつのまにか俺の心の中を占めていたのはこの真名海だった．．．それに先に気づいたのは彼女の方だ。けれども今考えてみると、おれは１３、４歳の真名海に欲情するわけにもいかないからって、彼女の身体で代用していたんじゃないだろうか？彼女を抱いてた時に浮かんでくるその面影を消そうともがいては、激しくあいつにぶつけていたような気がする．．．そう考えたらホントにあいつには申し訳なかったと思う。もっとも最後には俺の友人を捕まえてちゃっかり乗り換えてたけどな．．．『相談してるうちに．．．』っていうやつだ。それほどおれはあいつとの時間を持たなかった。

おれはずっと真名海と一緒にいた。誰よりも長い時間あの娘の側にいた。

「真名海．．．」
膝の上に横抱きのまま降ろして俯いたままの真名海の顎を持ち上げてそっと唇で触れるだけのキス。
「和せんせ．．．」
いつもの甘えた仕草でおれの肩に手を回したまま、上目遣いで俺の方を覗き込んでくる。
いいかげんその先生と呼ばれるのも卒業したいんだけど、真名海独特の語尾の甘い『せんせ』っていう言い方は嫌いじゃなかった。
けれども今日は先生じゃなくて一人の男として真名海を抱きたいと思ってる。
出逢ったころはそんな感情はまったくなかった。がりがりでどこを見てるのか判らない目をしていた。かまってやればやるほど心を開いてくれて、懐いてくれた。そんな真名海が可愛かった。俺が護ってやるんだと思った。
その感情は下手すれば妹を思うのと同じものだと思ってたけれども、いつしかそれとは違う感情があふれ出てきた。
愛しい．．．
妹の唇にキスしたいなんて思わないだろ？妹の紗弓が遼哉とよろしくやってるのが判ってもなんとも思わなかったのに、真名海に他の男が話しかけるのを平気で見ていられなかった。その時にはじめて元彼女に言われたことを肯定する気になった。
おれが真名海を一人の女としてみていることに．．．
ふいに彼女からの告白を受け止めてしまった。正直嬉しかったさ、真名海も同じ気持ちでいてくれたことに。でもまだ１４だ。手を出すわけには行かないけれど、女を知っているおれには結構つらいものがあった。
時々俺を見つめる真名海の熱い視線や、誘うように軽く開いた唇なんかをまともに見ると自分が止まらない時もあった。ま、それ以上はすまいとキスもできるだけ触れる程度に留めて来た。
なのに最近は．．．
どんどん綺麗になってくる真名海。おまけにどこで覚えてきたのか挑発するような真似を平気でして来る。その真名海の可愛らしい誘惑にずっと耐え続ける自信はもうなかった。『１６になるまで』
それが自分につけたリミッターだった。それ以上はいくら俺でも持たせる自信はもうなかったから。
それほど心が繋がっているからなのだと俺は思いたい。愛しい真名海をこの腕に抱きたい、溶け合いたい、その欲求は止まらない。それは真名海も同じだとおもった。
「せんせ．．．好き、大好き！」
何度も繰り返すキスの合間に真名海がそう言い続ける。
「真名海、俺も、好きだよ。」
合わさる唇、俺の舌の侵入にも慣れてきたのか少しずつ答えかけている。なにもかもつくりの大きい俺からすると真名海のすべてが小作りだ。激しくその唇を奪い始めるとまるで俺が真名海を食べてしまいそうな錯覚に落ちる。事実食べようとしてるんだけど．．．
ゆっくり、キスの合間に真名海の細い首筋を俺のでかくて太い指がなぞっていく。びくりと震えるのを確かめながら何度も繰り返す。真名海ののどがゴクリと鳴るのを見て俺はそっと唇を離す。閉じていた目を薄っすらと開けて俺が次になにをするのか不安そうに見ている。その目がまた扇情的で、俺を欲情させるには十分すぎるほどだった。
「オンナの顔してるよ、真名海．．．」
「オンナだもん．．．」
もう一度キスして、そのまま真名海の耳を軽く嬲るように舐めては首筋を降りていく。
「ひゃ．．．んっ、あっ．．．」
可愛らしい声が俺の中枢神経を刺激する。いつの間にか女として花開こうとしている。
俺のために真名海の自らの意思でそう変身を遂げ始める。鎖骨と耳の辺りを行ったり来たりしながらゆっくりと真名海のカーディガンのボタンを外し始める。
もう止まらない．．．そんな確信が見えてくる。露になったタンクトップの肩のラインを優しく撫ぜながらその裾からそっと手を滑り込ませる。あるかないかだった胸が今ではその盛り上がりで俺の手のひらを優しく押し返してくる。それでも俺の手のひらに対しては小さくて可愛らしいものなのだが．．．
ゆっくりと下着の上から揉みしだくとまた甘い声が漏れていく。背中に回して優しく撫ぜるとまたため息のような声を上げて仰け反る。
「はぁ、んっ．．．せ、んせ．．．」
ブラのホックをパチンとはずしてその先端の立ち上がった頂に指で触れる。
「あうっ．．．やぁっ．．．ん」
もう我慢できずに一気に全部たくし上げ真名海の首から抜き取りぎゅっと抱きしめる。
「せ、せんせも脱いで．．．」
真名海がたどたどしい手で俺のTシャツを脱がせようと手を掛けてくる。俺はさっと自分でそれを脱ぐと真名海と素肌同士で体温を感じあった。
「あっ．．．」
ぐいっと彼女を抱き上げると反転して俺の狭いベッドの上に降ろす。真名海の両手をベッドに縫い付けてキスの雨を降らせる。顔から胸からわき腹からおへその辺りまで．．．特に胸の先はゆっくりと嬲るように刺激する。この前も真名海はこれをすごく感じていたはずだったから．．．
「あ、あ．．．んっ、やぁっ、はっ．．．」
その度に反応しまくる真名海の顔と身体は熱を帯びてピンク色に染まり始める。片手を離すとすぐに胸とか隠そうとするから頭の上で一つにして空いた右手でスカートを剥ぎ取る。女らしさを訴えるその身体のラインはそれでもまだ華奢で、そこに伸びる長く細い脚は未だに子供っぽさを主張しているそのアンバランスさ。その付け根を隠す小さな下着を見つけると、その下の存在を意識してさすがに下半身が張り詰めてくる。
（きっと痛がるだろうな．．．初めてだし、きつそうだもんな．．．）
そこそこ身体に似合った自分のモノを思って苦笑する。出来るだけ優しく、それしかしてやれないだろうから．．．
苦しそうに身体をよじる真名海の両腕を開放してやる。それと同時にその細い脚を持ち上げると両側に開いた。
「や、やぁ．．．っ！」
布キレの上から優しく溝を上下にゆっくりとなぞって、小さな突起を見つけて軽く刺激してやる。
「ひゃっうん、だ、だめぇ！！」
じんわりと真名海のそこが熱くなり始めるのがわかる。今すぐにでもそれを取り払い自身のもので埋め尽くしたい欲望に駆られる。けれどゆっくり、下着の上からの愛撫を繰り返す。同時にもう片手で胸を揉みし抱きその先をつまんでは転がす。大きく喘ぎだしたその唇を再び塞ぎ、ゆっくりと下着の隙間から指を侵入させる。
（前回はここで真名海のお母さんが帰ってきたんだよな．．．今日は、ま、それはないとして．．．）
ゆっくりと馴染ませるように上下になぞったあと、そっと出入りさせる。真名海には不似合いなほど太い俺の指が少しずつ彼女の中に埋め込まれていく。そのきつい感触に自分のモノとすり替えて考えるだけで眩暈しそうだった。
「あ、あ、せ、せんせ．．．」
前の彼女では感じたことのない焦燥感が自分を襲う。早く自分のものにしてしまいたい、その思いに必死で耐える。真名海を優しく壊れ物のように扱いながらも、おれの本能は快感を追い続けるのだ。そして真名海の体がどんどん俺自身を受け入れる準備を整えていく様に身震いするほどの興奮を覚えていた。
つい夢中になって無口になってしまう。真名海が不安そうに瞳を揺らして喘いでいる。
「せんせ．．．」
「怖くないか？」
「へ、平気．．．あっ、でも、体が変になりそう．．．」
「これも脱がすよ？」
最後の一枚に手をかけるとさっと取り除く。閉じかけるその脚をまた掴んで押し開くと、その付け根にゆっくりと顔を埋めた。
「だ、だめ！せんせ、そんな、汚いってば！ひゃあん、だ、ああぁっ、だ．．．めっ．．．うっん！」
どうみてもまだ未発達なその薄い茂みを掻き分けてきれいなピンク色の襞に舌を這わせる。幼いながらも蜜を含んだそこは俺を誘い、時折ぴくぴくと打ち震える。そこに隠れた小さな突起にもキスと愛撫を加えると真名海は大きく身体を仰け反らせた。
「やぁああああ！せんせ、やだぁ．．．あ、あ、あ．．．」
そこから顔を離しそっと真名海をだきしめてやる。いきなり襲ってきた快感に少し震えていた。小さく開いた唇を震わせて体中の感覚を剥き出しにしてしまっている。そっと腕を撫ぜるだけでもびくりと反応する。
「真名海、可愛いよ、こんなに、可愛くイクなんて．．．」
比べて悪いが、これほど可愛いとは思わなかった。快感をむさぼり慣れた女とは違って、真名海はピンクに染まったその全身を震わせて今襲ってきた最初の波に涙を浮かべて耐えているんだ。もうたまらない．．．俺の方がおかしくなってしまいそうだった。
「真名海、いいかな．．．もう．．．まだちょっときついか？」
そう問いながらも指で確かめるその中はまだひくついて、ぎちぎちだ。
「あっ、せ、せんせ、あ、あっ．．．」
言葉の出てこない彼女はただ頷くだけだった。
俺はさっさとジーンズを脱ぐとベッドの脇の引き出しから避妊用のゴムを取り出し身につけた。慣れてるとはいえ、真名海にじっと見られると恥ずかしい。
「そ、それがはいるの？」
そっか、こいつはまだ初めて見るんだっけ？父親ともまともに暮らしてないしな．．．
「怖いか？真名海．．．」
ぷるぷると首を横に振る。
「いいの、せんせのモノになりたい．．．」
「そうか．．．壊しそうで怖いよ．．．けれどもう、やめないよ？」
真名海の両腕が広げられて俺を誘う。子供じゃない、オンナなんだ．．．俺だけの．．．

「うぐっ．．．い、痛ぁいっっ！！！」
真名海のきついそこに自身を埋め込んでいくその行為は眩暈がするほどの快感を呼んだ。しかし痛みで眉を寄せて真っ赤な顔に額に汗まで浮かべてる真名海を見たらすぐには動けなかった。
｢真名海、深呼吸して．．．」
「は、はぁ．．．すぅ．．．はぁ．．．あっっ！！」
力が緩んだと同時に最奥まで突き進む。ぴったりと重なった体．．．どう見ても俺が壊してるようにしか見えないけれども．．．
「真名海、ごめん、痛いだろ？大丈夫か？」
「はぁ．．．い、ったぁ．．．ほ、ほんとに、痛いんだぁ．．．」
目にはいっぱいの涙をためて微笑む彼女がこの上なく愛しかった。
「真名海．．．」
「でも．．．せんせは、い、痛くないんだよね．．．？」
「あぁ、真名海には悪いけど、気持ちよすぎて、やばいぐらい．．．ちょっと俺にはきつすぎ、ていうか．．．よすぎて．．．うぅ．．．」
動きたい．．．その中を思う存分掻き回して激しく出し入れしてみたい男の欲望。けれど今それをやったら真名海が壊れるよな？
男って怖い生きもんだよ．．．愛しい女が痛みで涙流してても、それでもまだ残酷に突き上げたくなるんだからな。
「真名海、動くよ．．．」
ゆっくり、ゆっくりと自分に言い聞かせながら動かしていく。下にいる真名海を押しつぶしてしまわないように、ゆっくり．．．
「あっ．．．あ、あん、あん、せ、せんせ．．．あ、あぁっ」
抽送する動きにあわせて真名海の喘ぎ声が変化していく。痛いだけじゃないその声．．．
「はぁっ、んっ、はっ、あ．．．んんっ！！」
ただでさえ狭く締め付けてくるのに、真名海が少しずつ震え始める。
「も、だめだ．．．真名海っ！！」
一気に駆け上がっていく快感に逆らえず俺は真名海を背中ごと抱きしめて軽く抱き上げながら最後の律動に入った。
「やぁああっ、せ、せん．．．っ！！」
深くなった繋がりは真名海に逃げ道を与えず、ただ木の葉のように俺に激しく揺さぶられていた。
「真名海っ！」
止まらなかった．．．どくどくと噴き出すそれは何年も溜まっていたかのごとく、今までにないほど長く欲望を吐き出し続けた。

「真名海．．．」
ベッドのサイドボードにもたれた俺の胸の中には真名海が眠っていた。俺が揺さぶりすぎたのか真名海は軽く意識を飛ばしていた。その髪を何度も梳いてやる。
愛しい．．．
自分の中に湧き上がる枯れない想い．．．
こんな華奢な身体で俺を受け止め、最後まで我慢していた。
離せない．．．たとえ自分が教師になったとしても、社会のモラルを考えても、真名海は真名海だ。俺の可愛い恋人だ。
「せ、せんせ．．．あたし．．．寝てた？」
思わずきつく抱きしめすぎてたのか、目を覚ました彼女をすこし解放してやる。
「気を失ってたに近いかな？」
「そうなの？でも、あたし、せんせとえっちしちゃったんだ．．．」
大きくため息をつきながら前よりももっと近い場所に擦り寄って来る。
「ね、もう、子ども扱いしちゃやだよ？」
「もうできないよ．．．真名海。」
愛してるの言葉はまだ早いかも知れない。
だからその言葉の代わりに何度も真名海を抱きしめた。
『愛してるよ．．．』
心の中でなんども囁きながら、いつまでも彼女を抱きしめて離さなかった。